ステンレスフィルターによるアイスコーヒーの抽出
最近はスペシャルティーのアイスコーヒーも流行っているようですが、アイスコーヒーと言えばやっぱり苦味とボディ感が欲しくなる時もあります。そこで使ってみたのがステンレスフィルター。どうしてステンレスフィルターを選んだかと言うと、このフィルターは無数の細かな穴が開いている造りなので、コーヒーオイルも通過し、それだけでなく微粉も通します。
一般的なペーパーフィルターの場合オイルは紙が吸ってしまいます、勿論微粉も通しません。それが良いとか悪いとか、優れているとかそう言う話ではなく、それぞれ道具の特徴と言うことです。オイルや微粉が含まれると、コーヒーの質感が変わります。一言でいうと“土壌感”と言うのでしょうか。その豆が育った土地や空気を感じれるような感覚が得られるんです。そう言った点を期待して、ステンレスフィルターでアイスコーヒーを抽出しようと思いました。
ちなみにこのステンレスフィルターはKINTOのフィルターです。slow coffee styleのシリーズで、ガラスのカラフェとセットで購入しました。
ただこう言った形状のフィルターは、他のドリッパーと組み合わせて使うことも出来ます。例えばハリオのv60や、同じくKINTOから発売されているドリッパーにも勿論組み合わせる事は可能。それらを使えばペーパーフィルターでのドリップと同じような感覚で抽出出来ます。
抽出準備
・用意するもの
コーヒー豆:18〜20g
氷:70〜80g
湯温:90℃
このような特徴を持ったステンレスフィルターでアイスコーヒーを抽出していきます。まず豆の量は18〜20g、通常のホットコーヒーを淹れる時よりも多めです。
ミルはカリタのNEXT Gを使いました。挽き目は中挽〜中細挽きです。お湯が沸騰したら少し冷めるまでの間に、先にサーバーに氷を入れます。量は70〜80gです。
この上からコーヒーを落として急冷させます。お湯の温度は90℃くらいで抽出します。
抽出開始
レシピの目安は以下の通りです。
蒸らし:40ml 0〜40秒
1湯目:50ml 40〜1分10秒 (90ml)
2湯目:60ml 1分10秒〜フィニッシュ (150ml)
それではまずは蒸らしから。蒸らしは40mlのお湯を注いで、40秒間行います。粉全体にお湯を行きわたらせるようにします。
次に1湯目、注ぐ量は50ml程度注ぎます。だいたい500円玉くらいの直径をイメージして、円を描きながらゆっくり注ぎます。
次の2湯目で最後です。1分10秒くらいまで待って、2湯目を注ぎ始めます。注ぎ方は同じように、500円玉くらいの直径を意識して注ぎます。
最後にドリッパーを外すタイミングは、コーヒー粉が窪んできて、でも沈みすぎないくらい。以前はコーヒーを最後まで落としきる前に、ドリッパーを外してしまう方法が推奨されていました。ですがその理由は、昔は今ほど豆や焙煎の質が良くないとされていたから。でも今はそれぞれがかなり高品質になって来ているので、一概に「最後まで落としきらない方がいい」とは言えないのですね。豆の品質や、あとはここも好みやドリップする人のスタイルなって来そうです。
仕上げ
ステンレスフィルターでドリップしたコーヒーは濁っています。微粉が入っているからです。飲んでいっても最後の方になると、底に微粉が溜まっています。それがあまり好きじゃないと言う方もいらっしゃいますが、ここの本当に好みになります。
抽出が終わったらグラスに注ぎましょう。初めに入れていた氷は溶けているので、もう少し足します。ぬるいアイスコーヒーは美味しくありません。コーヒーはこうやって薄まっていくことになるので、それも加味して豆も多めに、そして濃いめに抽出しています。
まとめ
好みは人の数だけあります。アイスコーヒーひとつとっても、ペーパーフィルターでスッキリと淹れたい、ネルでまったりとした質感を楽しみたい、今回の様にステンレスフィルターで土壌感を味わいたい。いろんな表現方法があり、それが面白さでもあります。
また同じ人でも味の好みはずっと同じでない場合もあります。それぞれの特徴を知っていると、色んな選択肢からチョイスできるので楽しみが増えると思います。自分に合ったコーヒーライフが見つかると良いですね。