コーヒーtips

フレンチプレスのレシピを検証してみた

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フレンチプレスによる抽出はハンドドリップなどに比べてもかなりシンプルです。

①容器に粉を入れる
②お湯を入れる
③そのまま放っておく

以上です!
シンプルなんですが、インターネットのサイトやyoutube、コーヒーの教本などによってレシピがそれぞれ違うので、どれが優れていると言う評価ではなく、傾向を掴んでみました。


レシピは全部で6種類です。

検証時の共通条件
・使用グラインダー:NEXT G
・使用器具:bodum 0.35L
・使用濃度計:ATAGO PAL-COFFEE(BX/TDS)
・器具を温めておく
・注ぎはヤカンからポットに移し替えてポットで行う
・必ず粉と湯が混ざり合うように注ぐ
・濃度測定前ゼロ校正実施
・検体液は微粉の沈殿をしばらく待つ
・液温の安定を待って測定

・レシピA

・豆:ジュピター Sクラスブレンド
・メッシュ:中挽き*
・粉量:13g
・湯温:95度*
・抽出時間:4min(注ぐと同時にタイマースタート)
・注湯量:160cc

粉:湯=1:12.3
                    「*」はレシピ上に指定なし

~コメント~
フレンチプレスらしく味はしっかり目に出ている印象だが、やや口当たりに水っぽさも感じる。
苦味が少し気になり、バランスは余り良くない。
フレーバーに少し土っぽさを感じる。豆由来の要因もあるが、抽出による部分もある。

TDS:0.83

・レシピB

・豆:ジュピター Sクラスブレンド
・メッシュ:中挽き*
・粉量:10g
・湯温:95度
・抽出時間:3min(注ぎ終わってからタイマースタート。注ぎは10秒)
・注湯量:140cc

粉:湯=1:14
備考・・・レシピにより、湯を注ぎ終わったらスプーンで数回混ぜる

                    「*」はレシピ上に指定なし

~コメント~
バランスは取れている。やわらかいフレーバーを感じる。
目立った渋みや苦味は見られない。
甘さも感じられる。

TDS:0.75



・レシピC

・豆:ジュピター Sクラスブレンド
・メッシュ:粗挽き
・粉量:18g
・湯温:95度*
・抽出時間:4min(注ぐと同時にタイマースタート)
・注湯量:300cc

粉:湯=1:16.7
備考・・・レシピより、150ccで30秒初めに蒸らす。

                    「*」はレシピ上に指定なし

~コメント~
バランスの良い酸味、苦味を感じることが出来る。
アフターもロングアフターで、良い酸味が残る。
口当たりはクリア。

TDS:0.55

・レシピD

・豆:ジュピター Sクラスブレンド
・メッシュ:中挽き
・粉量:16~18g 検証は17g*
・湯温:沸騰直後 検証は95度*
・抽出時間:4min(注ぐと同時にタイマースタート)
・注湯量:300cc

粉:湯=1:17.6
備考・・・レシピ上、30秒間蒸らす。蒸らしの湯量指定なかったので、150ccで行う。

                    「*」はレシピ上に指定なし

~コメント~
フレーバー、味わいともにまろやかで、バランス良い。
ロングアフターで良い苦味、甘さが残る。
冷め始めてからも酸が際立つなどなく、バランス良い。

TDS:0.51




・レシピO

※詳細非公開

~コメント~
全体の印象は地味で蛋白。バランスも良くない。
少しきつめの酸、苦味を感じる。
口当たりが少しざらつく。
甘あもあまり感じる事は出来ない。

TDS:0.75

・レシピV

※詳細非公開

~コメント~
どしっとしたフレーバー、少し暗い印象もあるが、個性と捉えることが出来る。良い。
明るい酸味と良い苦味。甘さもあるが、酸味と苦味に少し隠れている感じ。
全体的にバランスが良く、上品さを感じさせる。

TDS:0.72




まとめ

レシピにより粉と湯の割合が違い、それによりTDS値も相関関係を持って変化したが、結果的な味わいの善し悪しには余り関係性を感じられなかった。

レシピAとOに関しては蒸らし工程がなく、レシピDは蒸らしは無いが湯を注ぎ終わった後に掻き混ぜている。蒸らしは行った方が良い。

良くなかった条件は、湯を一度に注ぎきってしまう抽出方法。そこに加えて、粉に対して湯の量が増えてくると更にバランスが悪くなる。
湯の割合が多くても、蒸らしを行っていれば良い液体が抽出できる。



考察

数ある抽出方法の中でも、完全な浸漬式。やはりポイントは粉量、それに対する湯量。後は”蒸らし”でした。

不思議なのは、”蒸らし”と言っても段階を分けて湯を注いでいるだけです。
時間が経過するにつれ粉から出てくる成分はどんどん少なくなるはずので、初め一番上手く成分が出て欲しいタイミングでどれだけの量の湯に浸っているか。大きな違いはここな気がします。



個人的な考えですが、まず蒸らす=初めの抽出を少ない湯量で行う。という事だと思うので、つまり最初に成分が液体に溶け出して行く量をセーブ出来ているのでは?と思います。

湯が少ない方が飽和点に達するのが早いので、大事な時間帯に成分が過度に出すぎない。
対して全て注ぎきってしまうと、その湯量全てに対して成分が全行程分の時間を使い抽出され続けるので、過注になっている。

そう考えて振り返ってみると、蒸らしを行っていないレシピでは酸味と苦味が良くない意味で際立っていて、バランスも余り良くないです。
過注だったという事なのかもしれません。




個人的に考察しているだけなので間違っているかもしれません。しかし先輩が「原理、原則」と常に言っていたように、全ての現象には原因があり、結果があります。

これからも想像を膨らまし、考えていきたいと思います!

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